別れた元交際相手から「もう連絡しないでほしい」と伝えた後もメッセージが届く、自宅や勤務先の近くで姿を見かける、帰宅途中に待ち伏せされる――こうした状況では、「まだ事件になっていないから」と一人で様子を見ることが必ずしも安全とは限りません。
大切なのは、相手を自分で問い詰めたり追跡したりすることではなく、まず自分の安全を確保し、いつ・どこで・何があったかを客観的に残すことです。危険が差し迫っている場合は探偵への相談より警察への緊急通報を優先してください。
この記事では、元交際相手からの繰り返しの接触に悩んでいる方に向けて、どのような行為が問題になり得るのか、安全に残せる記録、警察への相談の準備、探偵へ相談する場合の役割を順に整理します。
別れた後の連絡がすべてストーカーになるわけではない
一度の連絡や偶然顔を合わせただけで、直ちにストーカー行為と判断できるわけではありません。一方で、拒否しているにもかかわらず接触が続く、待ち伏せや見張りを受ける、行動を把握されているように感じるなど、複数の事情が重なっている場合には早めの対応が重要です。
ストーカー規制法では、一定の目的のもとで行われるつきまとい、待ち伏せ、住居等付近での見張り、面会・交際等の要求、連続した連絡などが規制対象となり得ます。また、近年の改正では位置情報を利用した行為への規制も強化されています。
ポイントは「別れた元恋人だからストーカー」「メッセージが来たからストーカー」と単純に決めることではありません。実際には、接触の内容、頻度、拒否の有無、相手の目的、被害者が置かれた状況などを総合して考える必要があります。
注意したい接触の例
次のような出来事が続いている場合には、日時や内容を記録しておくと警察等へ状況を説明しやすくなります。
- 断っているのに電話、SNS、メール等による連絡が繰り返される
- 自宅、勤務先、学校、駅などで待ち伏せされる
- 帰宅経路や外出先に相手が現れることが続く
- 面会や復縁を繰り返し求められる
- 家族や友人、勤務先へ連絡される
- 行動を把握しているような内容のメッセージが届く
- 車や持ち物に不審な機器が取り付けられている疑いがある
一つだけでは偶然や通常の連絡である場合もあります。しかし、「拒否しても続く」「生活圏で何度も現れる」「行動を細かく把握されている」などの事情が重なるほど、自分だけで解決しようとしないことが重要になります。
危険を感じたときは証拠集めより安全確保を優先する
ストーカー被害では、証拠を残すことは重要ですが、証拠を増やすために危険な場所へ行ったり、相手を刺激したりする必要はありません。身の危険を感じる状況では、記録より先に安全な場所へ移動してください。
相手が自宅前にいる、追いかけられている、暴力や脅迫を受けている、侵入しようとしているなど緊急性がある場合は110番通報を検討します。「まだ実際に殴られていないから」と待つ必要はありません。
帰宅せず別の安全な場所へ移動する判断もある
相手に後をつけられている可能性があるとき、自宅の場所を知られていないのであれば、そのまま自宅へ向かうことで生活拠点を知られてしまうことがあります。人通りのある場所、警察署や交番、営業中の店舗など、安全を確保できる場所への移動を検討してください。
家族や信頼できる知人へ現在地と状況を共有しておくことも有効です。単独で相手のところへ戻り、「なぜついてくるのか」と確認しに行くことは避けましょう。
勤務先や学校にも必要な範囲で事情を伝える
元交際相手が勤務先や学校へ現れる可能性がある場合には、受付担当者や上司、学校の担当者など必要最小限の関係者へ事情を共有する方法があります。
2025年12月30日施行の改正では、ストーカー被害者への援助について勤務先や学校も関係主体として位置付けられました。勤務先に「相手から電話が来ても予定を答えないでほしい」「在席しているか伝えないでほしい」と相談することも、安全対策の一つです。
警察へ相談するときに残しておきたい記録
相談時には、「怖い」「ずっとつきまとわれている」という感覚だけでなく、具体的な事実を時系列で示せると状況を伝えやすくなります。完璧な証拠をそろえる必要はありませんが、消さずに残せる情報は保存しておきましょう。
特に役立つのは、次のような記録です。
- 接触された年月日と時刻
- 場所
- 電話の着信履歴
- SMS、LINE、SNS、メール等のメッセージ
- 相手のSNSアカウント名やプロフィール画面
- 自宅や勤務先付近で見かけた日時
- 第三者が目撃している場合はその状況
- 物を送られた場合は封筒や荷物の外観
- 相手へ接触を拒否したことが分かるやり取り
スクリーンショットだけでなく前後関係も残す
メッセージを保存する場合、一部分だけ切り取るより、送信者、日時、前後のやり取りが分かる状態で残しておく方が経緯を説明しやすくなります。
同様に、着信が繰り返されているのであれば、一件ずつ個別に説明するより、着信履歴全体が分かる画面も保存しておくと頻度を確認できます。証拠を加工せず、元データも残すことを意識してください。
時系列表を作る
複数回にわたり出来事が起きている場合は、簡単な一覧を作ると整理しやすくなります。
| 記録項目 | 記載例 |
|---|---|
| 日時 | 10月5日 午後8時15分頃 |
| 場所 | 自宅最寄り駅の改札付近 |
| 出来事 | 元交際相手が立っており、帰宅方向へ歩き出すと後方からついてきた |
| 自分の対応 | 駅前店舗へ入り家族へ連絡した |
| 残っている資料 | 同日午後8時20分頃の着信履歴、メッセージ |
これは相手を有罪にするための「決定的証拠」を自分で作る作業ではありません。警察や専門家へ相談するとき、何が起きているかを正確に伝えるための整理です。
警察への相談は「事件になってから」でなくてもよい
警察への相談をためらう理由として、「まだ暴力は受けていない」「ストーカーと断定できない」という不安があります。しかし、警察への相談と刑事事件としての立件は同じものではありません。
奈良県警察ではストーカー・DV対策の相談窓口を案内しており、緊急時は110番、それ以外の相談については最寄りの警察署や警察相談専用電話等を利用できます。
相談前に整理しておくとよいこと
- 相手との関係と交際終了時期を整理する
- いつ頃から接触が増えたかを確認する
- 相手に連絡や接触を拒否したか整理する
- メッセージ、着信履歴、写真等を保存する
- 自宅・勤務先・家族への接触の有無をまとめる
- 現在、特に不安を感じている行為を説明できるようにする
「どの条文に違反しているか」を自分で判断する必要はありません。実際に起きたことをできる限り事実に沿って説明することが重要です。
具体的に警告や禁止命令等の対象になるかは、警察が個別事情を確認して判断します。被害者自身が法律上の要件を断定する必要はありません。
自分で相手を尾行・追跡するのは避ける
「相手が本当に自宅の近くまで来ているのか確認したい」「どこから見張っているのか突き止めたい」と思うこともあります。しかし、被害を受けている本人が相手を追いかけたり、車で尾行したりすると、直接接触につながる危険があります。
また、相手のスマートフォンやSNSアカウントへ無断でログインする、他人の敷地へ侵入して確認する、相手の車等にGPS機器を取り付けるといった方法は行うべきではありません。
証拠を取るために生活を変えすぎない
「毎日同じ時間に帰宅して相手が来るか確認する」「一人で待ち伏せ場所へ行って撮影する」といった行動もおすすめできません。
証拠を集めることより、被害が拡大しないことの方が重要です。自宅周辺や通勤経路の状況確認が必要な場合は、安全を確保できる方法を検討します。
探偵へ相談する場面と調査できる範囲
警察は被害者の安全確保や犯罪への対応を担う機関です。一方、探偵は、適法な範囲で特定人物の所在・行動について事実確認を行い、その結果を依頼者へ報告する業務を行います。
たとえば、「自宅付近に同じ人物が繰り返し現れているが、自分では安全に確認できない」「不審な車両が同じ時間帯に現れる」といった場合に、目的や状況を確認したうえで調査を検討できることがあります。
ただし、探偵が相手を逮捕したり、警告・禁止命令を出したりすることはできません。また、警察に代わって犯罪成立を判断する立場でもありません。
| 相談先 | 主な役割 |
|---|---|
| 警察 | 緊急対応、安全確保、ストーカー事案への警察措置、犯罪捜査等 |
| 探偵 | 適法な範囲での事実確認、行動・所在等の調査、調査結果の報告 |
| 行政書士 | 本人の意思に基づく通知書や内容証明等の文書作成支援 |
| 弁護士 | 具体的な法律判断、交渉、損害賠償請求、訴訟等 |
相手との示談交渉や損害賠償請求の代理などが必要であれば、弁護士への相談が必要になります。
生駒法務探偵事務所へ相談できること
| 名称 | 生駒法務探偵事務所 |
|---|---|
| 代表者 | 大倉雄偉(おおくらゆうい) |
| 所在地 | 奈良県生駒市山崎町3番11-1号 |
| 取扱業務 | 浮気・不倫調査/人探し・所在調査/素行・行動調査/ストーカー・嫌がらせ対策/親族・相続人調査/企業・信用調査/盗聴器・盗撮器発見/行政書士業務 |
| 探偵業届出番号 | 奈良県公安委員会第64250013号 |
| 受付時間 | 10:00〜20:00(事前予約制) |
| 事務所案内 | 行政書士×探偵による、調査と法務の一貫支援 |
生駒法務探偵事務所では、探偵兼行政書士の立場から、元交際相手によるつきまといや嫌がらせについて、「今ある資料から何を整理すればよいか」「事実確認のための調査が必要か」「警察への相談を先にすべき状況か」といった点を整理する相談に対応しています。
探偵として調査を行う場合も、依頼目的を確認したうえで適法な範囲に限定します。相手への報復、嫌がらせ、復縁のための居場所特定など、不当な目的の調査は行えません。
また、行政書士として対応できるのは、依頼者本人の意思に基づく通知書や内容証明等の文書作成です。相手方との示談交渉、慰謝料交渉、紛争性のある案件の代理等を行政書士として行うものではありません。
生駒市のほか、奈良市、大和郡山市、平群町、斑鳩町、三郷町、王寺町など周辺地域で被害に不安を感じている場合も、危険が差し迫っているときは相談予約より先に警察への通報・相談を優先してください。
まとめ
元交際相手からの連絡や待ち伏せが続いているときは、相手を自分で問い詰めるより、安全確保と客観的な記録を優先することが重要です。日時、場所、着信履歴、メッセージ、目撃状況などを残しておくと、その後の相談に役立ちます。
危険を感じる場面では110番、緊急性がない場合でも警察署や警察相談窓口へ早めに相談できます。警察へ相談するために「完璧な証拠」がそろうまで待つ必要はありません。
自分では安全に確認できない事実関係の整理や調査が必要な場合には、探偵へ相談する選択肢があります。生駒法務探偵事務所でも、警察・弁護士等の役割と混同しない範囲で、調査や文書作成に関する相談を受け付けています。

